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屈折率2.42 ~ダ・ヴィンチと花言葉とエンターテイメントの力~

ダ・ヴィンチに愛されている」

私のTLのえび担の皆さんが、口々にそう呟いてちょっとした祭りのようになった3月半ば。ちょうどA.B.C-Zの新曲「花言葉」のDVD発売も相まっていた頃で、他担の人もこぞってそれらを購入しては、その中身の充実っぷりに感嘆のツイートを落としていた。

これは買わないと後悔するやつ…!というわけで、私も例に漏れず、いそいそと本屋に向かったが、地元の本屋ではすでに売り切れていて、結局amazonでぽちった。

 

 アクロバットの得意な人たち。

A.B.C-Zというグループに対して、私が持っていた知識はおそらく、世間一般の人とそう大差がない。戸塚君が近年、昼ドラや映画に出演していたことは知っていても、見たことは一度もなかったし、まして、彼らの舞台にもコンサートにも、足を運んだことがない。地上波の音楽番組でも、たまに見るけれど、やっぱりどうしたところでアクロバットの印象だけが強く残る。おや?と思ったのは去年「Moonlight Walker」をMステで披露した時で、わー、おしゃれな曲!と思ったことと、終盤まで戸塚君がハットで顔を隠していて、お顔を見たいのに見えなくて、最後のサビ辺りでやっと見えた時、ただでさえ美しい戸塚君の顔面がさらに美しいものに見えて、これ計算でやってんだったらこの人とんでもない策士だヤバい、と震えたことは覚えている。

デビュー前「エビキス」とキスマイと併せて呼ばれていたことは、私の中ではまだ記憶に新しく、逆に言うとまだその頃の必死に水面下で足掻いているような印象が根強かった。彼らがデビュー前、そしてデビューしてから何をやってきたか、何も知らないまっさらの私にとって、だからダ・ヴィンチ4月号は、とても情報盛りだくさんの教科書だった。

 

 

アイドルを好きになる時、心臓を鷲掴みにされる瞬間が、必ずある。

ああ、私にとっての「特別」はこの人だ。理由もなくそう確信する瞬間。

ダ・ヴィンチを読みながら、衝撃と共に「君が好きだ…!」と一瞬で心奪われたのが橋本君だった。

 

KinkiKidsの堂本光一さんとか見てても、どんなに面白いこと言っても、ステージに立つとバラが見える。アイドルって、これだなって。ステージに立つ以上は、自分もないバラがそこに見えるような存在でありたい。だからお客さんがよそ見してると悔しいんですよ。俺は今、バラ背負ってやってるんだ、こっち見ろよって思ってます(笑)

 

真っ直ぐで正直で、なんて強い人なんだろうと思った。

グループ内最年少という点では、WESTの小瀧君と同じだけれど、橋本君から感じるのは圧倒的なハングリー精神だ。食らいついて、追い越していく。自分の弱さを受け入れて、そこからさらに自分を追い込む強さがあると思った。メンバーに追いつこうという飽くなき向上心と、センターであることの責任感によって鍛え上げられた彼の心の強さが、誌面の向こうから私の心をガンガンと揺さぶってきた。

 

 

それからほどなくして、花言葉のDVD通常版を買った。初回版と迷ったけれど、彼らのパフォーマンスが見たかったから、ABC座のshow timeの一部が収められている通常版にした。

まず花言葉のショートフィルムのクオリティの高さにひっくり返った。

本当にこんなドラマ、月9あたりでありそうじゃん…!と思って、何より5人のお芝居がすごく良くて! えー、もっと演技仕事してほしい!オファーこい!と思った。舞台もいいけど、地上波で流して欲しいよ。絶対ファン増えるよ!

途中でダンスが始まってようやく、そうだこれ、MVでもあるんだった…!と驚くっていうね。このショートフィルムだけでも買ってよかった!って思えるくらい素晴らしい作品。

それから去年のABC座なんだけど、これは絶対、生で見るべき…!という確信とともに、昔、嵐の潤君が言っていた「エンターテイメントの力」っていう言葉を、ふと思い出した。

 

2008年、嵐の初ドームツアーを追った写真集の最後に、五人のソロインタビューページがあって、その中で潤君は「僕はエンターテイメントの力を信じている」というようなことを語っていた。当時、嵐にもジャニーズにもハマりたて、コンサートと名のつくものに一度も行ったことのなかった私は、彼のいうそのエンターテイメントの力というのが何なのか、さっぱりわからなかった。分からないまま、そのことを実感しないまま、8年が過ぎた。

そして今になって、このABC座の映像を見て、そのことを急に思い出して、納得した。

これだ、と思った。歌もダンスも申し分なくすごいのにさらに、なんでこの演出?ここでこんなに体を張る必要が?という驚きの連続で、でも結局、そんなことはどうでもよかった。引きこまれて魅了され、ただ目の前の世界の輝きだけが全てになる。わけわかんないけどすごい!!A.B.C-Zすごい!!っていう世界。すごいとしか言えないのがもうなんか、すごくもどかしいんだけど、とにかくすごいんだよ!としか……説明してって言われても、DVD見てくださいって差し出すしかない。言葉なんて追いつかない。理屈も理由もいらない世界。エンターテイメントの力。ジャニーさんが、ミュージカルを見て感銘を受け、自分も同じ感動を世の人に届けたいと思って始めた事務所の、その一番の核がこれなのかもしれないと思った。華やかでわけわかんなくて思考なんて置いてきぼりで、自分は剥き出しの感情だけになる。

ABC座はコンサートじゃないから、この感覚がA.B.C-Zのコンサートで感じられるものと同種のものかわからないけれど、大きくかけ離れたものではないとするならば、彼らのコンサートはきっとジャニーズの粋がぎゅっと詰まった物であるに違いないと思った。

 

A.B.C-Zって宝石みたいだと思う。

長い下積み時代、便利屋の様にいろんなグループのバックに呼ばれる中で、そこでのいろんな経験を通じて、磨かれ、鍛え上げられ、デビューし、今吸収した全部で、こんなに眩しい舞台を作り上げる。

それはまるで、何度もカットされることで、受けた光をその中で増幅させ、さらに美しい光として外に放つことの出来るダイヤモンドのようだ。

会いに行きたい。そこで君たちが背負うバラをこの目で確かめたい。

 

今年の夏が、今からとても待ち遠しい。

 

 

ダ・ヴィンチ 2016年4月号
 

 

 

花言葉/A.B.C-Z(通常盤) [DVD]

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