希望の岸辺で、君たちを待ってるね 【KAT‐TUN 10Ks! ツアー4/29】

10Ks!に行ってきた感想とかとか。ネタバレちょっとだけあります。

 

 

 

 

 

 

希望の岸辺に立っている。

吐き出されるようにドームを出て、内側の熱を冷ますような夜風の中で、そんなことを思った。

 

 

hakumailove622.hatenablog.jp

 

私が上の記事を書き、KAT‐TUNのコンサートに行きたい、と思い立ってから、半年が過ぎた。

一瞬のような、もどかしいような、この半年の、たった半年の間に、私はKAT‐TUNにおける自担を失った。なかなかの急展開。

だから、10Ks!ツアーの申し込みが始まった時、正直なことを言うと、自分が行く理由はもうないのでは?と思った。思って、実際に申し込まなかった。

でもやっぱり、3月のMステで四人でのKAT‐TUNの最後を見てから、ああ、私はこの人たちに会いに行かなければ、きっと後悔する、と思った。

何よりあの日、私は田口くんからよろしくねってお願いされたじゃないか。三人のことをよろしくねって。びっくりした。あんなに泣いたのに。忘れようとしていた自分にびっくりして、閃くようにそのことを思いだした自分にびっくりした。

縋るような思いで取ったぴあのチケットは3階の天井席で、後ろから二列目。アリーナに居たら見上げるような巨大なセットよりも、さらに上の視点から見下ろしたドームは最初、当たり前だけどがらんとしていた。開演までずっと、客席が埋まっていくのを眺めていた。時間が迫る。客席がびっしり埋まっていく。ひしめきあって沸々と沸き起こっていく熱気。客電が落ちた瞬間、赤く燃える様なペンライトの海が、鮮烈に私の網膜を焼いた。あの瞬間の「赤い…!!すごい!!!!」という圧巻の景色を、きっと私は忘れないと思う。

 

 

ジャニヲタの教科書的KAT‐TUNコン

 ジャニヲタなら一度は見ておけと言われるKAT‐TUNコン。

いやあ、もうほんとに、ドームという空間が狭く感じるくらい、演出が綺麗で迫力がすごい。噂に違わぬ、むしろ期待以上の美しさ。

提示されるコンセプトもはっきりしていて、今回に限っていえば10周年は言わずもがなだけど、そこに「時空を旅する」という演出が乗っかっていて、本編の最後、時空の向こうに一人ずつ吸い込まれていく演出も、ありそうでなかった二次元と三次元の融合という感じで、ストーリーとしてもまとまりがあるし、はけ方に違和感もないし、上手いなあ!ともうただただ感心した。

さらにKAT‐TUNは船である、と亀梨君がインタビュー等々で表現していた通り、メインステージは船のイメージで作られてて、これがまあ、途中で次々形を変えていくのがほんとすごい。最初船首だったところが、前半の「春夏秋冬」くらいでばらばらに割れて動き出したのを防振で見てて、動くんだ?!ばらばらになるんだ?!すげーーーー!!!!と思って感動した。船首は真ん中から別れて、それぞれが上手と下手に移動。これは最終的に反転されてもう一度正面で合体してた。裏面は電飾とか張り巡らされてて、表と裏でリバーシブルな使い方出来るなんて斬新過ぎる!!とKAT‐TUNステージ機構にひたすら驚いて、裏方のスタッフさんたちの働きっぷりに心の中で合掌した。船首部分が割れた向こうには舵のモチーフがあったんだけど、これも真っ二つに割れて、途中はその奥がはけ口にもなってて、これもそうきたかと唸ったよね。……私は何目線でKAT‐TUNコンを見てたんだろう…。

あとメンステの左右の客席を覆うように設けられた暗幕部分。最後プレワンの時、白と青の電飾が光って星空になるという演出に使われてて、ドームがホームっていうのはこういうことなんだなって。余すことなく空間を最大利用するってことの真骨頂を見せられたと思った。ステージだけじゃない。ドームっていう箱全部がKAT‐TUNの武器なんだった。だからKAT‐TUNは、ステージ機構とか火とか水にも感謝を惜しまないんだなあと納得。無機物にもありがとうって叫ぶKAT‐TUNというか亀梨君、超かわいくないですか?

 

さらにKAT‐TUNといえば、特効とレーザーですよ。

レーザーは頭の方のD-motionがもう!めちゃくちゃ綺麗で!KAT‐TUNのレーザーは空間を切り裂くような鋭さがある気がする。STAR RIDERの中丸くんに関しては天才!!!!!としか。レーザー操るアイドルとか無敵でしかなかった。

水は私個人的には嵐のイメージがすごくあって、でも一曲目のGOLDかかった時、会場の熱が5度くらい上がった気がして、そこでさらにぶわあって水が吹きあがった時の会場の歓声がすごくて、ああ、そうだった、KAT‐TUNは水も操ってなんぼのグループだったと思い知らされた。

で、最後UNLOCKで炎も水も花火もレーザーも全投入してきたKAT‐TUNがマジKAT‐TUNだった(語彙力…)30秒に一回くらいは特効にあわせて「フゥーーーー↑↑」って言えて超楽しかった。炎、水、レーザー、打ち上げ花火まではまあ想定内ではあったけど、上からナイアガラみたいな花火が降りだした時、すごすぎて笑ったよね。一曲の中で何発も打ち上げるのとか、他のグループではあり得ないから。特効って銀テみたいな立ち位置だと思うじゃん。最後の締めでバーンと一発鳴らしたら終わりっていう特効の概念を覆される、爆音に次ぐ爆音に私は大変満足しました。KAT‐TUNコンだ!!って思ったもんな。これで今年は控えめってみんな言ってるのが本当に信じられない。これで控えめだったら、他のグループの特効なんて線香花火みたいなものでは…。

 

上田くん

 上田君は、夜会でも弄られてたように一見怖そうに見えるけど、とてもハートの熱い、一番に人間味の溢れる人なんだと思います。気持ちも言葉も真っ直ぐで、上田君はKAT‐TUNの心臓なんだなあと思いました。メンバーが大事で、ファンの子が大事で、そのためにならどんな苦労も厭わない人。きっとそんな上田君を知ってしまったら、みんな上田君を好きにならざるをえないんじゃないかな。私が上田君を彩るエピソードで好きなのは、デビューするってなった時、自分たちに係わるスタッフさんの数が尋常じゃなく増えたことに、自分はこの道でやっていく!と腹を括ったという話です。いつも自分じゃない誰かの為にという視点で物事を決断することが出来る上田君。自分のファンの人も亀梨君や中丸君を応援してくださいとちゃんと言葉にして伝える、上田君の真っ直ぐさが、私は好きです。

 

中丸くん

中丸君はアイドルである前にエンターテイナーなんだなあというのを、しみじみと感じました。中丸君のボイパ、超笑った。その発想はどこからくるんですか、天才ですか。中丸君ってオタク気質じゃないですか。KAT‐TUNのファンクラブに入って最初に届いた会報で、大好きなゲームの新作が今度発売になるんだけど、まだ手元にないから、新作のことを想像しながらコントローラーを握ってシミュレーションしてる、てなことを近況として報告していたのが衝撃的すぎて、瞬間的に好きが溢れたのを昨日の事のように思い出します。それ、ツアー前に勝手にセトリとか演出とか想像してキャーキャーするジャニヲタと一緒な!!!!!好きしかない!!!!!

オタクという同族だからこそ、こちらの喜ぶことが分かってくれてる中丸君が、KAT‐TUNの頭脳としていてくれることにメガ感謝。しかも割と頑固ですよね?今時の草食系っぽい外見に反して、やりたいことをやりきるために最大限戦う気概も弁舌も技量もお持ちですよね? うん、好きしかない。そしてダンス。中丸君のダンス!涼しいお顔で繰り出される長い手足を活かしたメリハリのあるダンスがとっても好き。ああ、市ヶ谷……市ヶ谷のダンス、愛してた、マジで。

 

亀梨くん

 KAT‐TUNを背負って、KAT‐TUNの象徴であり続けることに、自分のすべてを捧げているように見える亀梨君。でもメンバーとはしゃぐ時、垣間見せる変わらない子供っぽさ、可愛さに、私は青春の残り香を感じて泣きたくなります。

KAT‐TUNって、永遠の少年性を宿してる部分があると思っていて、Real face があんなに売れたのは、その年頃の子供なら誰もが一度は思う「汚い卑怯な大人にはなりたくない」っていう世界に対する反抗心の象徴と希望してKAT‐TUNという存在があったんじゃないかなって。大人になると、いろんなことを許せるようになる。それは妥協だったり、諦観だったりする。子供の頃は許せないことの方が多いのに、世の理不尽さも、大人たちの言動の矛盾も、なにもかもが許せなかったのが、だんだんと諦め、戦わないことを覚えていくものだと思うけれど、KAT‐TUNはそれをしない。亀梨君はそれを良しとしない。青春の最期の日の中でまだ、大人たちに抗い続けてる校舎裏のKAT‐TUNは、そんなものと心無い大人に馬鹿にされるような夢も希望も大事に握りしめていて、コンサートというあの場所で、それを何度も見せてくれる存在なんだと思う。10年の歴史が私にはないから本当のことはわからないけれど、10年追いかけてきたファンとKAT‐TUNの間に、そんな変わらない景色があればいいなと思いました。時折、確かめるように、焼きつけるように会場を見ていた亀梨君が印象的で、忘れられそうにありません。亀梨君、これまでずっとKAT‐TUNの亀梨和也でいてくれてありがとう。これからもずっと、KAT‐TUNの亀梨和也でいてください。

 

 

このコンサートに入る前、私は何かが終わる、その瞬間を目撃するのだ、と思っていた。ピリオドを打つような、舞台に一旦幕を下ろすような、少しのさよならというような、そういう寂しさに襲われるのだろうなと、身構えるようなところがあった。

でも、今私が感じているのは、一片の曇りもない期待と希望だ。それはもちろん、私とKAT‐TUNの間に、10年の歴史がないというのが大きい。思い出がない。アルバムは聴いていったものの、一曲一曲、全てが私には新鮮でしかなかった。あの時のこの曲ではこんなことがあったな…とかいう懐古がなくて、それは少し寂しいような悔しいような気持ちを覚えるけれど、私の初めてのKAT‐TUNコンがめちゃくちゃ強い、美しい、かっこいいKAT‐TUNに会えたっていう、前向きな気持ちで終われたのはすごく予想外だったし、とても良かったと思う。

終わりなんかじゃなくて、これは始まりなんだなって思った。私とKAT‐TUNのスタートが10Ks!で、本当に良かった。

ずっと、メインステージの上に掲げられたKAT‐TUNのロゴが、私にはまるで王冠のように見えて、10年前、何者でもなかった6人の男の子たちが、あの王冠を頂いてこのドームに立った日が確かにあって、その日夢見た未来と今日はきっと違うんだろうけど、でも、今ここにはいない人の魂もずっとその中に内包し続けるKAT‐TUNっていうグループ名は今もこれからもずっと変わらず、燦然と強く輝き続けていくのだと思った。

田口くんが辞めるって発表した後、私はぶっちゃけKAT‐TUN解散もあり得ると思った。3人がそうしたいならそれでもいいと思った。グループとして、ここが美しく終われる引き際だと3人が考えてもおかしくないんじゃないかと思った。KAT‐TUNは最後まで「かっこいい」を貫くと思ったから。でも、違った。私はKAT‐TUNを何もわかっていなかった。見くびっていた。KAT‐TUNはきっと、たとえ最後の一人になっても、KAT‐TUNであり続ける。美しく散るより、傷だらけのぼろぼろになっても、最後まで頂いた王冠の輝きに恥じない誇りと信念を持って、気高くステージの上に立ち続ける。輝いて、もっと。鼓動のようなペンライトの一つ一つが、そう叫んでいると思った。注がれるたくさんの想いを吸い上げるように、より強く、より美しく、KAT‐TUNは唯一無二の雄々しさと気高さを纏ってそこにいたし、これからもきっとそうあり続けてくれるに違いないと思った。

 

 

自分の気持ちを確認するように、全てを自分に刻み込むように、ゆっくりと、力強く語っていた亀梨君の言葉が、頭の中でぐるぐるする。

「KAT‐TUNの亀梨和也として、胸を張ってまたここに立てるように」

人の魂は、純粋な願いは、感謝は、こんなにも誰かを強くさせるのだ。

 

 

今でさえ、こんなに凄いコンサートを作るKAT‐TUNが、充電を終えたらさあ。すごいよ?マジで。ぴかぴかの船体になって、燃料満タンで漕ぎ出すってことでしょ? すごくないわけがない。期待しかない。希望しかない。私はこの辿り着いた岸辺で、その日を待つ。待てる。どれだけでも待てる。

また船を漕ぎだすその時は、KAT‐TUNの本気の特効、みせてくれよな!!!!!!

10周年、本当に本当におめでとうございます!