Song for youという約束 【12/10 嵐Untitled 福岡公演】

2017年12月10日。ヤフードームにいた。

記憶は細部から抜け落ちて、ただ、胸に焼きついた感情と記憶の覚書を、未来の自分の為にと思うと、真っ先に思い出されるのが、ムービンステージでARASHIを歌いながらメインステージに戻っていく五人の姿だ。過去と今とが、目の前で交錯した、あの瞬間、死ぬ間際の走馬灯のように、自分と嵐の10年を思った。

 

 

今回のツアー「Untitled」の肝が「Song for you」と「未完」であることは、すでにMステでのあのパフォーマンスを見た以上明白で、それをどう、組み込んでくるのか、というのが、私の最大の関心ごとだった。

結果、そこに至るまでの数曲が、怒涛の懐かしシングルメドレーなんだけど、ピカダブとかサクラサケとか、ムービングに乗って、五人が、昔のままのあおりで、流れで、切り取られ方とか流れていく景色が、どうしても私にはTimeコンのそれに見えて、見えてしまって、嵐がA・RA・SHIを歌いながら、真ん中を行くあの感じとか、今を見ながら過去を見て、その記憶のうねりの中で、わかった。思い知った。忘れているわけじゃないこと。10年の記憶。私がみてきた10年分の嵐は、ちゃんと私の中にあって、それはもう私の一部で、先導されなくても沁みこんだC&Rが、自分の口から零れ落ちること。サクラサケのイントロが流れたら、ワッショイ!って叫んでしまうこと。ユア マイ ソウル。いやもうほんとに。いつもずっと、そばにいた。10年分のARASHIを思い出した。そしたら、ムービングで、メインステに戻った時、最後のラップに差し掛かって、翔ちゃんがいつものように歌った。

 

僕らはいつも探してる でっかい愛とか 希望探してる。

 

ああ、そうだったって、閃くように思った。どうして忘れていたんだろう。わたしたち、ずっとそうやってきたんだった。探してた。同じもの。愛とか希望とか、そういうキラキラしたものを。だからもう、大丈夫だって思った。どれだけ、はなれても、遠くても、世界中のどこにいても、絶対にまた、会える。同じものを探して、だからまた、巡り会える、大丈夫って。これまでのどの瞬間よりも強く、嵐が側にいると思った。そうだった。わたしは、わたしたちは、この世界を楽しんでおいでと、そうやってこの時代に生まれてきた。君たちと、アイドルと、同じ時代に、生まれてきた。

Song for youは途中から、嵐のプライベート写真とか、リハの写真が、バックで流れていって、08国立のリハ、10周年の写真、どこかで見たなっていう写真が流れる度、ああ、ちゃんとここまで一緒に歩いてきたんだなって思って、最後、デビューの時の、何も知らないままハワイの真っ直ぐな道に座り込んだ五人の写真に、15周年の時のハワイで、同じ構図で撮った五人の写真が、綺麗に重なって、それがもう、なんか、とどめだった。ああ、一緒に生きてきた。そう思った。五人だった。五人でいる。今も。紛れもなく、全部奇跡だった。いつの時も、嵐らしく、笑って。よかった。これ以上の幸福があるか。自分の大好きな人たちが、この人たちらしく笑って、ここまでこれた。こんな景色をみせてくれた。こんな景色をみせてあげられた。これ以上の幸いがあるか。

五人の挨拶が挟み込まれる。ニノが言った(と思う)僕たちの想いは、届きましたか。

届いたよ、受け取ったよ。そう思ったら、この涙どうやって止めんだ、って思ってた涙が、すんって引っ込んだ。もう大丈夫だった。新しいページに、胸は高鳴る。未完の先へ。アンコールのラストは「彼方へ」

 

Don’t stop the music. Never stop the music.

終わらないストーリー。果てしないメロディ。

 

旅は続く。でも、約束があるから、もう大丈夫だ。もう誰かを、何かを、嘆いたり、蔑んだり、妬んだり、しなくていい。またね、という約束が、もしかしたら、5年後、10年後、もっと遠い未来にしか果たされないとしても、大丈夫。

「誰一人、欠けることなく」昔、オーラスで潤君が言っていたこと。いつからか言わなくなったその約束を、思い出した。誰一人、欠けることなく。夢物語のような、到底叶うはずのない、誰の目にも明らかに不可能なその願いを、潤君は口にしていた。その時、その場に居合わせる人たちとは、一期一会だ。同じ顔ぶれでまた一堂に会する奇跡など、起こるはずもない。今日君のことが好きでも、明日、同じ気持ちで、君のことを好きでいられるか、そんなこと誰にもわからない。それでも、潤君はきっと、信じて、願ってた。誰一人、欠けることなく。誰よりも強く、そういうことを信じている人だ。きっと、今も。口にしないだけで。そのことを、そんなことを、今更になって思う。

 

 

This song for you.

わたしからきみたちへ。

たくさんの、忘れられない景色をありがとう。

その時々において、どれだけ、わたしは君たちの想いに誠実でいることが出来たでしょうか。わかりません。全部を見てきたなんて、そんな自信もありません。きみたちだけが世界の全てだったわけでもありません。見る人が見たら、それは誠実ではないのかもしれません。でも、そんなことは、どうだっていいことです。わたしは誰かに認めてほしくて、君たちのファンをしていたわけではないからです。本当のファンとか、誰かに評価してもらうために、認めてもらうために、きみたちを好きでいるわけじゃない。わたしはわたしのために、君たちを好きでいました。私が前に進むには、君たちの存在が必要でした。君たちと生きようと、何か確たる決意があったわけではありません。でも、結果として、君たちと生きてきたのだ、そんなふうに思いました。アイドルと、一緒に生きるとは、こういうことなんだと、自分の人生のあの瞬間にも、この瞬間にも、君たちがいた。振り返れば、そんなことを思うのです。悔しかった。悲しかった。嬉しかった。心配した。わたしがこんなことをしていた時、君たちはこんな仕事をしていたし、君たちがこういうコンサートをしていた時、わたしはこういうことを考えていた。その一つ一つ、私の歴史の一つ一つに、君たちのその時がリンクして、それは交互に織りこまれた組紐のように、いつの間にか、嵐の記憶が組み込まれた私の記憶、それが、私の人生になっていました。

いつも、側にいてくれて、ありがとう。

君たちらしく、いてくれてありがとう。

後輩たちに、その背中を見せてくれてありがとう。

いつか、ニノが言っていたことを、思い出します。自分たちには役職とか、そういう目に見える形の昇進とかがあるわけじゃない。そうだね。でも、いつの間にか、立派に中間管理職になってましたね。後輩を家に呼んだり、ご飯に連れて行ったり、そういう未来が、嵐に訪れるなんて、10年前は思ってもみなかったのに。あんなに内気だった人たちが、五人で、いつも、五人だけで世界がどこか、完結しているような、そんな人たちだったのに。たくさん後輩に慕われて、そしてこんなにも面倒見がいい先輩になるなんて、本当に、わたしはごめん、想像しなかったよ。

いつも、想像し得なかった未来を、夢を、みせてくれてありがとう。

 

 

どうかこれからも、君たちらしく、嵐らしく、いてください。

今日も「嵐」でいてくれて、ありがとう。

いつかまた、一緒に遊びましょう。

希望も自由も、君たちと共に。

Never ending music!