強烈な努力 【SexyZoneのたった3日間で人生は変わるのか】

努力、と聞くと必ず思い出す言葉がある。

「強烈な努力」

昭和を代表する囲碁棋士藤沢秀行名誉棋聖の言葉だ。

死の間際、言葉を発することも、筆をとることも出来なくなった病床で、気力だけで書きつけられた言葉「強烈な努力」

私は今でも、この言葉を思うと泣いてしまう。強烈な努力。死を前にした人が書くには余りにも鮮烈で力強く、命の輝きが溢れていた、その文字。

 

 

碁は芸である

碁には個性、生き方、

その人間のすべてがあらわれる

 

無限に続く芸の道は厳しいが

ひたむきに歩む物は幸せだ

 

人間を高め、力をつけよ

自分にしか打てない碁を探求せよ

 

これだけは伝えたい

強烈な努力が必要だ

ただの努力じゃダメだ

強烈な、強烈な努力だ

 

 

 

 

 

無理。出来ない。

ケンティーの口からそんな言葉が零れたところを、ついぞ聞いたことがない、と思った。

ああ、あなたも人の子なのだと、また当たり前のことを噛み締めた。

コンサートでは座席によっては、照明が客席にもろに当たることがある。私の上を通過するライトの光。それは一瞬であるにも関わらず、確実にじりと肌が焼ける。焼けたと感じるほどの熱がある。

あなたはなんて、苛烈な光の中にいるのだろう、と少しだけ呆然とした。

スポットライトの当たる、煌びやかなステージの上。その一番眩しい場所。そこに立ち続けるには、どれだけの覚悟と努力が必要なのだろうかと、いつだって思うのだ。

想像を絶する。そんな言葉ではきっと余りある。完璧だなんて、思ってないよ。いつだって指先が震えるほど、力が入り過ぎなくらい力を込めて、自分を鼓舞して、アイドル・中島健人でい続けてくれているのだと思う。誰よりも美しく、微笑みながら。

強烈な努力とは、あなたがその身を以て体現してくれる輝きのことなのかもしれないと思った。

 

パフォーマンスに入る前の、虚空を射抜くような眼差しを見た時、これは私の知っている中島健人じゃない、とさえ思った。命懸けの覚悟を決めた時、人はこんなに凄絶な光を瞳の奥に宿すのかと思った。不思議だ。全然あなたじゃないみたい。でもものすごくあなたらしい。休日には美術館に足を運び、ピアノを嗜み、絵を見てると音が降ってくると言うような子が、生まれてこの方やったことのないバク転にたった三日で挑戦するなんて、改めて考えても無茶苦茶だ。圧倒的に文化系インドア派だぞ!!!!!(突然のモンペ)

今の自分を受け取ってください、その文字を見た時に、胸の奥がきゅっとした。受けとめきれるだろうかと思った。怖かった。どんな結末であっても怖い。そう思った。勝利君が言っていたように、努力の過程を見せたくない人だろうなと思っていたし、ジャニーズアイドルって結局そういうプライドを、大なり小なり抱えているのだと思う。いなくちゃダメなんだと思う。安井君の言葉を思い出す。自分たちを見て、チャラチャラしてきらきらして、楽しそうって思われたい。震えるほどプロだと思った、あの言葉。

 

ジャニーズに入って10年だ。何かの道を10年も進めば、挑戦の着地点は見えていたはずだ。目標とするパフォーマンスのゴール、自分の力量、与えられた時間で駆け上がった今の到達点が何合目か。ゴールに届いているか否かなんて、きっと誰よりも自分が一番よく分かって、それでも、それは逃げる理由にはならないってことを、あなたは教えてくれた。絶対に登れない壁が目の前にあったとしても、だからといってそれは、努力しなくていい理由にはならない。逃げていい理由にはならない。そこに踏み止まれるか、あるいはそれでも一歩踏み出すか。あなたの言う通りだ。誰もが未知に踏み出す時、躊躇する。でも、忘れたくない。右足と左足を、交互に一歩ずつ踏み出していく、それだけで、私たちは本当はどこまでも進んでいける。どんな場所にでも、辿り着ける。自分の家の玄関の扉は、世界中のあらゆる場所に通じている。限界を決めるのは、いつも自分自身だ。

 

パフォーマンスを終えて、風磨君が、風磨君の方から手を差し出して、ケンティーはそれを少し、信じられないものを見るような目で見ながら、引き寄せられるように握手をして、二人の体が近づいて、二人の距離が、ゼロに一番近くなった時。

ケンティーが、その一瞬だけ、アイドルの自分を脱いで、素の顔で笑ったように見えて、ああ、あなたにそんな顔をさせるのは、やっぱりこの人だけなんだと、何百回目か分からない全力の嫉妬を、風磨君にした。

そうしながら、こんな二人の姿を見てしまってよかったのかなと、もっと秘されるべき大切な瞬間だったような気もして、いや、本当にオンエアに乗せて頂けてありがたい!ありがとうございます!!(ジャンピング土下座)という勢いで喜びはしたんだけど、うーん、ちょっとこの感情、自分でもよくわからない。見てしまった、という背徳感というか罪悪感というか、そういうのだ。

いつぞやの風磨君の言葉じゃないけども、こうやって二人で乗り越えてきた日は、私が知らないだけで、今までもたくさんあって、でもそれはきっと、世界中で二人だけが分かっていればいいことなんだろう。

台宙前の、ケンティーを見つめる真剣な風磨君の眼差しは、何度見ても私の心臓をきりきりさせる。あの眼差しに、あの握手に、あの笑顔に、ふまけんの全部がある。言葉になど出来ない全部。二人の重ねた時間の全て。そんなことを、勝手に思った。

 

 

 

ああ、これからも、あなたをあなたたらしめる全ての努力が、最高の形で報われますように。

地上波初冠番組、お疲れ様でした。

ケンティー、あなたは最高のアイドルだよ。

 

 

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#二回目を座して待つ