今日という1日が終わる時に、あなたの笑顔を抱いて眠ろう。
けぶる白いスモークの中に現れたあなたは、たしかに生きていた。
当たり前だ。でもその当たり前のことが、ただ、嬉しい。
光を乱反射させる衣装。
何度だって息を呑むほどに長い足。
光を纏わせた瞼が瞬く。
吐息さえ色づく。その音が、胸の奥で聞こえる。
あなたの美しさが、存在が、なによりも現実世界に馴染まないアンリアルだ。
愛らしく笑うあなたがいた。
愛おしいと眼差しで囁くあなたがいた。
双眼鏡を覗いてるファンの子を覗き返して、気づいたその子に、子供みたいに笑って、「気づいた?そう君だよ」って嬉しそうに指を差す。
きらきら。
きらきら。
あふれてこぼれる。
その時私の世界に音はない。
ただあなたの笑顔が弾けるその先に、指先の向くその先に、眼差しのその先にこそ、愛がある。
ーー愛がある、なんて。
陳腐だ。あなたの全身から迸る想いと輝きに比べたら、あまりに陳腐すぎる言葉だ。でも私はそれ以上に相応しい言葉を持ち合わせていない。こんな時、言葉なんて意味がない。意味がない。私が見た美しいものには到底及ばない。いつだって。
理性は白い光に融けて、ただ本能だけが私に残る。
呼吸をとめて、まばたきをやめて、その瞬間にだけ「永遠」に触れることが出来る。
あなたのしなやかな身体に、どれだけの痛みがあるのか、あったのかと考えた。
バク転ってなんだよって、あなたの命懸けの挑戦は、楽しみと不安を同時に私にもたらした。
私の思考はもう、そういうふうに出来ているから、今見ているものの向こうに、どれだけの時間が、汗が、努力が、痛みがあるのかと、考えてもしょうがないことを、考えてしまうのだ。
こんな、奇跡のように美しい瞬間でさえ。
ボロボロになっても君を守り抜く。
その約束を、あなたはきっと裏切らない。
だから、でも、それでも、それが故に、私はなおさら、願わずにはいられないし、心配せずにはいられないのだ。あなたがどれだけ大丈夫だと笑うとしても。
今日もあなたに正しい優しさが降りますようにと。
今日もあなたが心から笑う瞬間がありますようにと。
願わずには、祈らずにはいられない。
そういう運命を、あなたが連れてきた。
だから。
私は今日も、飽きることなく、尽きることなく、好きだ、愛しい、愛しいと、あなたは最高のアイドルだと、ここで叫ぶのだ。
終わりのない苦しみを甘受し
Darling 旅を続けよう
あなた以外帰る場所は
天上天下 どこにもない宇多田ヒカル「あなた」
今日という1日が終わる時に、あなたの笑顔を抱いて眠ろう。
#そういうわけで
#掛け持ちやめます