きみはぼくのほし【A.B.C-Z SLT Concert 10/1-2】

7/30の「ハシツアーズ」で幕を開けた私の夏の現場は、この10月のえびコンでようやく終わりをむかえた。

コンサートの余韻が覚め、この夏を反芻しながら思うのは、私が自覚していたよりずっと、この2016年の夏の端々に、A.B.C-Zがいた、ということだ。

 

 

ハシツアーズが終わって、どうしてもあと一回は入りたかったけど、どう考えてもチケ代+遠征費を絞り出す余裕がなくて、でもすごく会いたくて寂しくて、すぐ去年のアリサマコンを買って、でも足りなくて、それからワーホリの旅を買って、それでもまだ足りなくて、Moonlight walkerを買って、ずっと特典のドキュメンタリーを見て、そうやってずっと、A.B.C-Zを、りょうちゃんの声とダンスを欲し続けていた夏だった。

彼らを知ったきっかけが3月のダヴィンチの特集記事だとすれば、こんなにも私がA.B.C-Zを求め、りょうちゃんに恋焦がれるようになってしまったその一番強い引力は、何だったんだろうと考えてみた。

ダヴィンチのこともまああるけど、でも「ああ、好き」と理解するより早く感情が動いたのは「Take a 5 train」のメイキング映像なんだと思う。

 

今までも僕たちがファンを色んな所に連れてったつもりだし、このCDでもっとどっか行こうよって気持ちもある。もっと大きい場所へついてきて欲しいし、A.B.C-Zのトレインに乗って欲しい。

まあ、俺のおんぶでもいいけど。

 

画面の向こう、そんなことをつるっと言って、ちょっとだけ照れたように笑うりょうちゃんを見る度、好きだって思った。なんて、可愛くて真っ直ぐな子なんだろうって。眩しすぎるだろって。だいたい、俺のおんぶでもいいけど…って!おんぶって!!!!かわいいがすぎる!!!!!!

りょうちゃんはその言葉通り、私をA.B.C-Zの世界に連れていってくれた。それはめくるめくように胸が踊る世界だった。

 

 

 

初めてのA.B.C-Zのコンサートは、あっという間だった。いやーもう体感時間30分くらいでは??と思うくらい。楽しくてかっこよくて美しくて、強かった。

そう、強かった。どのグループよりも圧倒的に強いのだ、この人たちは。それは精神的な強さであり、身体的な強さでもあり、今に命がけで立ち向かう時、人は、人の魂はかくも燦然と輝くのだと、そのことをまざまざと見せつけられた3公演だったと思う。

A.B.C-Zのコンサートは、シンプルだ。去年のアリサマコンと比べても、今年のはよりシンプルだったように思う。言い方を選ばなければ、簡素だし寂しい。潤沢なコンサート資金が巡ってこないことは「派手なセットは組めないし」といつか郁人君が言っていたことからも窺い知れる。落下物は最後の銀テだけだったし、特効だって、一番の見せ場だった「Fly a Flag」の炎と爆薬だけだったし、ジャニーズのコンサートでは定番と言ってもいいレーザーだって存在しなかった。

箱がアリーナサイズだということを鑑みても、少なすぎるのでは?と思うくらい派手な演出はほとんどなく、あってもフライングだし、それも人力で一人につき3人のスタッフがついて、ワイヤーをみんなで引っ張ったり緩めたりして飛ばすっていう、技術と腕力と信頼関係の上に初めて成り立つような演出だった。

でも、彼らは美しかった。A.B.C-Zに、凝ったごてごてした飾りはいらなかった。いや、あったらあったでそりゃ喜ぶし、もっと輝いただろうし、演出の幅も、彼らのやりたいことももっと他に、あったのかもしれない。でも、ただシンプルな照明の下、歌い、踊り、宙を舞うA.B.C-Zの五人は、それはそれは美しかった。人が、その持って生まれた身体だけで表現し得る美しさの極みだと思った。

前半のブロックで言えば、昔の曲をアレンジしたアクセントダンスは力強さとメンバーのダンスのシンクロ率の高さが光る演出だったし、途中センステでバレエっぽい振りで踊る戸塚さん、五関さん、塚田君の軽やかさは、背中に羽根が?って思わず瞼擦りそうになるくらい優雅だったし、そこから続くSecret Loverは大人っぽい歌詞と振り付けで会場中を端から抱きつぶすような勢いのかっこよさだった。花言葉の時はピンク色の照明が、中央から外周へ向けて、本当に花が開いていくように動いていて綺麗だったし、五関さんのソロの光の使い方は五関さんのこだわりとセンスが光っていて、特にセンステに降り注ぐ白光は、あの日ハシツアで見た照明の美しさを彷彿とさせるものだった。

終盤、屋良くんが振り付けてくれたFly a Flag。踊る五人の纏う衣装は、白地に金で星とグループ名がプリントされたもので、どちらかといえばシンプルな素材だったにも関わらず、眩しくて、ただただ眩しくて、人が何かに本当に心を込める時、こんなにも内側から輝くのだと、これは命が躍動する美しさだと、頭じゃなくて心が先に感じて震えて、私の中に忘れられない景色として刻み込まれてしまった。

これまでずっと、アイドルは、派手でかっこいい衣装を着てなんぼだと思っていたし、それを着こなせるのがアイドルだとも思うし、彼らにもっと豪華な衣装を着て欲しいという願望が、もっと派手で凝った演出をして欲しいという欲が、ないと言えば嘘になるけれど、でも、私が大阪の、あのステージの上で見たA.B.C-Zは、そういうものと一線を画す,唯一無二のグループだった。

「アイドルらしさ」を着込んでいく他のアイドルに対して、彼らはステージの上でどんどん何かを脱ぎ捨てていくような気がした。それは、目に見えないしがらみのようなもの、どこかアイドルであるが故、ついて回る制約、そのつもりがなくても掛けられてしまう色眼鏡、そういうものだったように思う。アイドルだけど、ただアイドルとしてじゃなく、私と同じに今を生きる人間として、客席の一人一人と向き合ってくれているような、そんな温かさと強さが、A.B.C-Zにはあるように思えた。

 

Fly a Flagを踊るりょうちゃんを見ながら、アイドルの、ジャニーズの、A.B.C-Zのセンター橋本良亮が、ただ命を極限まで燃やして、必死に歌い踊るその間、まっさらな人間・橋本良亮になっていく、と思ってた。降って沸いたように、好きだ、と思った。好き。好き。大好き。私はこの人が好き。がんばって。その強さと美しさが好きだ。いつも自分に挑み続ける厳しさが好きだ。四人のお兄ちゃんに甘えたくない、胸を張って堂々とA.B.C-Zのセンターですって言える自分でありたいって、自分を律する、鼓舞する、追い込む、そんなりょうちゃんが大好きなんだ。1日の日、ほぼほぼステージ真横のスタンド席で、Cメロ前、数秒、後ろを向く間、もうそのまま死んじゃうんじゃないかっていうぐらいきつそうな顔をしてるのが見えて、でも次に正面を向いた時、なんでもないっていう顔で、いつものかっこいいセンター橋本良亮になっていて、嗚呼、プロだ、アイドルだ、彼はこの場所で歌い踊る為にここにいるって、そう世界に求められているって、馬鹿みたいにそのことを繰り返し思った。そんなりょうちゃんの今が、堪らなく誇らしくて、愛しかった。

 

2日の一部。FaFが終わって、上がった息を整える間もなく、りょうちゃんはセンステに向かって歩きながら喋らなくちゃいけなくて、会場に本日はありがとうございましたって言う声は、それはもう、かすかすで震えていて、センステについてぜえはあしながら、きびしいですって、それは見れば分かるよ!っていうことを言うもんだから、りょうちゃんらしいなと思って、少し笑ってしまったんだけど、続いた言葉で呼吸を忘れて呆然と立ち尽くしてしまった。

 

「きびしいです、つらいです、でも、A.B.C-Zは頑張ってます。みんなに見てほしいから。だから、みなさん死ぬまで応援してください」

 

そう言って、深々とお辞儀したりょうちゃんを、わたし、一生忘れないと思うんだ。

みんなに見てほしいから。

その一言が、するんって私の胸に落ちてきた。なんて真っ直ぐで、切実で、温かくて、愛しい。ねえ、ただただ愛しい。

りょうちゃんはいつも、その時思ったこと、感じたことを、そのまま言葉にして、私にくれる。かっこつけたいだとか、こう言わなくちゃいけないだとか、アイドルだからとか、センターだからとか、そういう外聞なんて関係なくて、そうやってりょうちゃんの口から零れ落ちた言葉が、私の中でまだ、星の様に光って、この胸をこんなに温かくさせて、何度でも私を泣かせる。

 

A.B.C-Zが掲げる、他のグループの追随を許さない武器はアクロバットで、もしかするとそれは、ずっと握りしめていけるものじゃないのかもしれない。

今回のトランポリンも、塚田君が1日、2日一部と失敗して、でももう一回挑戦して、でもやっぱり駄目だった2日の一部、そんなにまで頑張らなくてもいいじゃないかって思って、でも本人たちがやりたいなら応援したいし、でもそんな辛そうで、苦しそうで、一歩間違えたら怪我するようなこと、アクロバットなんてそんなに必死にしがみつかなくても、君たちには歌もダンスもあるんだから、それだけでも十分素晴らしいんだから、それでいいじゃないかって思うこともあるよ、正直ね。アクロバットなんて、長く続かないよ、出来っこないよって言う人もいるのは知ってるし、それもそれで本当だと思う。どうしたって、歳をとれば、体は若い時ほど動かなくなるし、無理だってきかなくなる。

でも、だけど、そうだけど、でも。

これから先、アクロバットが得意なグループ、という看板をどうしていくのか、決めるのは彼らだし、私はどんな決断であっても、ずっと頑張れって叫び続けるんだろうって思った。もしかしたら、彼らはアクロバットに変わる武器を、そのうち手にするかもしれないし、ただひたすら愚直に、それをやり続けるかもしれない。わからない。でも、A.B.C-Zなら決めたことはやり抜くと思う。その強さと覚悟が、彼らにはあると信じてるから。私に出来ることなんて、そう信じて、光を信じて、頑張れって、大好きだよって、叫び続けることぐらいだ。

 

もしまた迷っても向こうへ

伸ばす手と踏み出す足が

何処まで行けるかなんてのは

知らない 聞かない

 

君は、君たちは、私の星。

そしてこれは、まだ始まったばかりの、星を辿る旅路という軌道。

 

 絶対に忘れられない夏を、ありがとうございました。